model cars 2004年5月号 Vol.96



 ご存知レッドバロンと言えば、'60〜'70年代のモノグラム製キットの数々を手掛けたトム・ダニエルがクリエイトした最もポピュラーなショーロッド! そのネーミングは第一次世界大戦当時活躍したドイツ軍の撃墜王リヒトホーヘン大尉のニックネームから戴いたもので、ルックスは彼の愛機真っ赤なフォッカーDr-1トライプレーンをイメージ。第一次大戦機が何故ショーロッドのモチーフになったかといえば、そもそも'60年代末期にサーファーの間で流行っていたプロシア型ヘルメットを見て、トム・ダニエルが『T-バケットにピッタリじゃ〜ん!』と思いつたのがきっかけ。そうして出来あがったレッドバロンは見てのとおりT型フォードのキャビンに第一次大戦初期のドイツ軍用をイメージしたヘルメットを被せ、エンジンにはモチーフになったフォッカー用のメルセデス製航空機エンジンをスワップ。また、サイドには当時のドイツ軍機の定番シュパンダウ7.92mm機関銃を装備、ラジエターキャップはガンサイト型、燃料タンクもドイツ軍の水筒型にする等、単なる思いつきでは終わらせない芸の細かさが流石! また、1台のホットロッドとして見ても、随所にトラディショナルなパーツやセオリーが活かされており、バランスの良いニートなマシンとして今でも魅力は色褪せていない。それはトム・ダニエルの才気溢れるアーティスト性に加えてインダストリアル・デザイナーというキャリア(元GMのデザイナー)が裏付けている。
 そのレッドバロンのデビューは'68年、モノグラムの1/24キットとして登場した。プロシア型ヘルメットと件のリヒトホーヘン大尉とは直接関係ないが、その頃"スヌーピー対レッドバロン"という曲が流行歌になっており、そのイメージを持たせるためにレッドバロンとネーミングされたという(後にスヌーピーもキット化されている)。この1/24キットが良く売れた為、翌'69年には1/12(オマケにヘルメットを被ったスカルが付く!)でもリリース。更に'72年にはディフォルメされたスナップ・キットのシリーズの1台として"Lil Red Baron"が登場。当時モノグラムの親会社だったマテルからはシズラー"ファットダディ"(モーターライズ)とお馴染みホットウィールも発売された。プロモーション用に実車が製作されただけでなく、幾つかのメーカーからはコピー物が出回った程の人気だ! これまでにもモノグラム製キットやホットウィールの再版は幾度かあったが、最近ではホットウィールが新たに100%シリーズでラインナップ、そして先日トイゾーンより大スケール・ダイキャストが発売された。その人気は衰えを知らず、新しい世代のファンにも広まっている!



Hot Wheels
Toy Zone INC
■Red Baron (2004)

 
特に違和感は無いが、フェンダーが付くのは何故!? '70年の初版のみヘルメットにクロスのデカールが入り、エナメル・レッドのペイントとなる'74年以降はルーフ上の矛が短かくなる。'79年に絶版となったが、'93年には新金型を起こし、ヴィンテージ・シリーズとして復刻されている。

充電式モーター走行モデル"シズラー"系で'73年のみ展開された"ファット・ダディ"シリーズの1台。こちらはフェンダーレスで、よりオリジナルに近いデザインだ。シリーズ共通のシャシーに合せてボディ後半がバケットというよりクーペ風、ヘッドはDOHC風とアレンジされている。ちなみに写真のモデルはライセンスによるレプリカ。それだけ現存数が少ないということ!



スケールは1/18というには大きく、概ね1/12程度。タイヤのホワイトレターには"TOM DANIEL+RED BARON"、半端にクロス風のトレッド・パターンも御愛嬌!? だが中空ラバー製のリアルな作り。更にリアサスペンションは実車と同じメカニズムで可動する! これは是非箱から出してディスプレイして欲しい! チープさとリアルさのバランスが良く、お薦めの1台だ!